【識者談話】検査数の多さ 致死率に影響か(高山義浩・県立中部病院医師)


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 沖縄では県民を対象とした無料PCR検査や、介護などのエッセンシャルワーカーに対する定期検査、学校PCR検査事業など他県に比べ検査を受けやすい環境が整えられた。人口当たりのPCR検査実施件数は昨年来、おおむね最多となっている。

 検査が無料でない地域に比べると若者の感染者が検査を受ける機会が増えるだろう。その結果、陽性者数が多くなり、陽性者に占める死亡者の割合(致死率)が低くなっていると考えられる。

 ただし、今年1月以降、人口当たりの死亡率で見ても沖縄県は全国平均の半分以下で、比較的良好な成績を収めている。高齢者施設で感染者が確認されると、県対策本部の施設支援チームが迅速に介入して集団感染を予防し、早期治療を行ったことも死亡を減らした。

 病院では中等症以上の患者を受け入れるために入院医療を温存し、限られた医療資源を効率的に提供できていることもこの結果に表れている。

 沖縄は元気な若者が多い。それ故に感染が広がる時は爆発的に流行するが、これまでのところ、リスクの高い高齢者を守ることができている。

 ウイルスの変異で病原性が低下し、ワクチン接種の進展で多くの高齢者が軽症で推移するようになった。社会経済活動への影響を抑えながら、対策をカスタマイズしていかなければいけない。

(県立中部病院医師)