90歳、15年間毎朝続ける花植え、ごみ拾い…「われながらよくここまで来た」 沖縄・那覇


社会
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 【那覇・豊見城】那覇市の平安名(へいあんな)常功(じょうこう)さん(90)は、国場川沿岸で清掃と花を植えるボランティア活動を15年間、続けている。雨の日を除いて毎朝、首里平良町の自宅からバスに乗って通う。5年ほど前に仲間と河川愛護のNPO法人「互皆志会(ごみなしかい)」を立ち上げ、沿岸の美観を保っている。

国場川南岸を毎日清掃している平安名常功さん(左端)と互皆志会のメンバー=豊見城市真玉橋

 平安名さんは国場川近くに住んでいた2007年、ウオーキング仲間と歩きながらごみ拾いを始めた。区間は南岸(豊見城市側)の爬龍橋から真玉橋手前までの約700メートルだ。清掃を進めると、護岸に生い茂るギンネムで川の風景が見えず、草陰にごみが散乱していることに気付いた。毎日2~3時間、約4カ月かけてギンネムを伐採した。清掃仲間の山内キミさん(83)は「きれいになったおかげで、ごみが捨てられることも減った」と実感する。

 護岸には升状の構造物が連なっており、堆積していた枯れ草に土を混ぜて花壇として整備した。周辺に水道がないため一部の升に貯水できるよう工夫した。ハイビスカスなどを植えているが、中には花を盗む人もおり心を痛めている。

 平安名さんは15年の美化活動を「われながらよくここまで来たな」と笑顔で振り返り「花もよく咲いて、私たちの努力に応えてくれている。通行人に『いい所だな』と感じてもらえたらうれしい」と話した。

(伊佐尚記)