「行政におもねり、司法の役割放棄」 原告ら判決に怒り 辺野古市民訴訟訴え却下


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辺野古市民訴訟で訴えが却下され、判決後の集会で気勢を上げる原告ら=26日午後3時19分、那覇市楚辺(又吉康秀撮影)

 「司法はいつ住民の被害に向き合うのか」。名護市辺野古の新基地建設を巡る市民訴訟で、訴えを門前払いとした26日の那覇地裁判決に、原告らは怒りをあらわにした。県庁記者クラブで開かれた記者会見で、原告団と弁護団が「行政庁におもねり、司法の役割を放棄する不当な判決だ」と批判した。

 会見では白充(ペクチュン)弁護士が抗議声明を読み上げた。米軍基地が運用されれば、米軍機の飛行差し止めを裁判で求めても「第三者行為論」などで訴えが退けられていると指摘。「市民の被害に目を向けようとしない裁判官に強く抗議する」とした。

 判決後に那覇地裁近くで開かれた集会で、原告団長の東恩納琢磨さん(60)は「国の言いなりとしか思えない裁判官だ。新基地建設に合理性がないことを証明するには、県政と密に連携しないといけない」と強調した。