「親川拝所」を戦前の姿に復元 広場が完成 大綱曳資料館も移転オープン 沖縄・与那原町


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新しくなった親川に向けて奉納舞踊を披露する与那原町文化協会の久場英さん(左)=1日、与那原町与那原新島区

 【与那原】3月に整備事業が完了した与那原町与那原新島区の「親川(えーがー)広場」で1日、落成式が催された。照屋勉町長や建設事業者らが完成を祝った。町文化協会のメンバーらが奉納舞踊を披露し、広場の安全と繁栄などを願った。広場内にあった与那原大綱曳資料館は町与那原の町社会福祉センター2階に移転し、同日オープニングセレモニーが開かれた。

 町指定文化財の親川は、琉球国が国家の繁栄と五穀豊穣を祈願して巡った「東御廻り(あがりうまーい)」の拝所の一つ。浜の御殿(うどぅん)に舞い降りた天女が、親川から湧き出る水を子の産湯に使ったとの言い伝えがある。敷地面積は1665平方メートル。整備事業費は総額約5億6144万円で、沖縄振興一括交付金を活用した。

 新しくなった親川は戦前の形に復元された。町民が親川の水を親しむことができるように、広場に池や井戸水をくみ上げる手押しポンプなどを設置した。親川の由来や歴史などを紹介する展示スペースなどがある赤瓦屋根の管理棟も建設した。

 落成式で照屋町長は「生まれ変わった親川広場が、いにしえの歴史と文化の継承に寄与するとともに、町民の憩いの場となれば」と期待した。

 式典では町文化協会で元組踊実演家の久場英さん(48)が、親川に向かって奉納舞踊を披露した。組踊「銘苅子」の天女が登場する場面で演奏される「通水節(かいみじぶし)」に乗せて、たおやかに舞った。
 (金城実倫)