山梨から参戦!「忖度なしガチ勝負」にほれ沖縄通い 藤本龍也さん<闘牛語やびら 復帰50年記念大会・全島大会>3


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故郷の山梨県で牛を育てる藤本龍也さん=24日(提供)

 闘牛に入れ込んだ男性が山梨県にいる。運送会社を経営する藤本龍也さん(52)は、甲府市の牛舎で県内でもまれな8頭もの牛を飼育する。同郷の有志と「山梨闘牛界」を結成した。さまざまな趣味を持つが、中でも闘牛は「究極の楽しみ」という。牛主として初めて手に入れた愛牛の姫龍號(きりゅうごう)が県復帰50周年記念大会に出場する。

 きっかけは2012年11月の社員旅行。初めての全島闘牛大会で、後に18連勝の偉業を達成する闘将ハヤテと古堅モーターズ号の大一番を観戦した。「忖度(そんたく)なしのガチの勝負だった」。闘将ハヤテにほれ、「俺も自分の牛で闘いたい」と決意した。

 山梨に帰ってから年に4回は沖縄に通い、闘将ハヤテの牛主、幸地政和さんの元に通い、世話の大変さを学んだ。幸地さんに何度も牛を売ってほしいと頼んだが、返事はいつも「まだまだ」。「簡単なものじゃないよと言われてる気がした」。それでも牛を諦めるつもりはなかった。

 15年、ついに自らの運送会社の沖縄事業所をうるま市で立ち上げるまでに。すると転機が訪れた。幸地さんから設立のお祝いに、子牛一頭をプレゼントされた。それが姫龍號だ。20代前半の頃、ドライバーとして乗っていたデコトラの名前から取った。「思い入れのある牛になった」

 成長した姫龍號は、今年1月のデビュー戦で初勝利を飾った。復帰50周年記念大会は「山梨闘牛界」のメンバーらとともに取組を見守るつもりだ。

 デビュー戦は沖縄で観戦できなかっただけに気持ちが高まる。「勝った負けたの勝負事。全力を出し切って、みっともない試合はしないでほしい」と期待する。ただし、親心からか「けがをしないようにだけね」と付け加えた。(古川峻)

 


 7日に県復帰50周年記念大会、8日に全島大会が石川多目的ドームで開催される。