沖縄の教員採用試験、志願者5年で827人減 県教委、労務簡素化で働き方改革へ


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沖縄県庁(資料写真)

 4月、各学校で新学期がスタートしたが、県内では学級担任が28人不足し、理科など専門科目の担当教師を合わせると64人が未配置だった(13日時点)。教員免許を持ちながらも教員採用試験に合格していない人を臨時採用して補ってきたが、それも追い付かない。近年、県内外で教員志願者の減少が指摘されているが、県内の大学を取材すると「高校生にはまだ人気」という側面が見えた。大学教員らが懸念しているのは、働き方改革が進まない教育現場で思い知る「理想と現実のギャップ」による離職や休職だ。(嘉数陽)

 県教育委員会が毎年発表している公立学校の教員採用試験実施状況をみると、志願者数は減少の一途をたどっている。2017年度から21年度実施までの5年間では、小中高・特支・養護教諭の合計志願者数は827人減少した。

 区分ごとにみると、5年間で志願者数の減少が最も顕著なのは小学校で288人減った。次いで多いのは高校で、179人減った。

 県教委は教員採用試験志願者の減少について、(1)景気の拡大による他業種への流出(2)長時間労働など教職員のイメージの低下(3)本採用増加による継続受験者の減少―の3点を挙げた。

 特に取り組みを進めている教職員の働き方改革については、(1)部活動指導員配置の推進(2)教員の授業準備などを支援するスクールサポートスタッフを配置(3)各学校へのさまざまな調査や提出物などの簡素化や削減―などを挙げている。その上で「子どもと向き合う時間などを十分に確保できるように、実効性のある取り組みを継続したい」と説明した。