ロシア女性寄付募る 沖縄県内在住ユーチューバーのマリアさん ウクライナ支援「できることを」


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ウクライナ支援を決意するロシア人ユーチューバーのマリアさん=4月25日、北中城村のイオンモール沖縄ライカム

 ユーチューバー「マリアランド」として活躍する県内在住ロシア人のマリアさん(30)が、ウクライナ支援を目的に月額制チャリティー型のLINE(ライン)上のコミュニティーを開設する。収益からウクライナへ寄付する。ロシアのウクライナ侵攻を機にマリアさんへの誹謗(ひぼう)中傷が始まり、引きこもった時期もあった。故郷の街はウクライナとの国境から約30キロで、親交のあるウクライナ人もいる。国が起こした戦争に負い目も感じている。複雑な立場にあるが「何かできることを」と決意した。

 チャンネル登録者は約10万人。ロシア人の視点や経験を基に各国の習慣の違いなどを流ちょうな日本語で紹介し人気だ。しかし、侵攻をきっかけにコメント欄に「お前の責任だろ」「スパイだろ」といった言葉が届くようになった。

 ウクライナが攻撃される映像に「ショックだった。母国が悪いことをした」と罪悪感にかられた。配信も休止した。家から出られない時期もあった。しかし、今も危険にさらされるウクライナを思うと「落ち込んでいる自分が恥ずかしくなった」。

 ロシアにいる家族に迷惑をかけたくないという思いも。「経済制裁で不安が広がっている。全世界から嫌われている」。ウクライナへの申し訳なさ、同胞への心配。複雑な感情が入り交じり、取材にも涙をこぼしたが、「自分にできることを」と行動を起こす。

 コミュニティーでは会員に寄付先を相談するなど、一緒に支援している感覚を持ってもらえるような仕組みも検討する。1日に開設予定で月額980円。 (金盛文香)