ウミガメが産卵中です! 国頭村奥の海岸、GWや夏のキャンプ「マナー守って」


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ウミガメの産卵場所を確認する日本ウミガメ協議会会員で自然公園指導員の嘉陽宗幸さん=4月21日、国頭村奥海岸

 【国頭】沖縄県国頭村奥海岸で4月21日、長年、ウミガメの保護・調査を続けている、日本ウミガメ協議会会員で自然公園指導員の嘉陽宗幸さん(68)=国頭村桃原=が、今年初めてアカウミガメの産卵を確認した。

 奥海岸は貴重なウミガメの産卵場所として知られる、世界自然遺産やんばる国立公園区域内。

 嘉陽さんが同日午前6時20分ごろ、ウミガメ産卵調査中に見つけた。去年の調査では、アカウミガメ74件、アオウミガメ26件で、合計100件の産卵があったという。調査を始めてからの21年間で、最も多かったのは2013年のアカウミガメ572件、アオウミガメ36件、合計608件で、この年をピークに、この10年で希少種・アカウミガメの産卵が大幅に減少しているという。本土でもアカウミガメが減少しており原因は不明。

 今年は、昨年から漂着した軽石がいまだに村内の海岸には多く見られ、ウミガメの産卵上陸やふ化した子ガメが海に帰る際の行動がどうなるかを危惧しているという。今回の場所は軽石の堆積が比較的少ないことから産卵にはさほど影響がなかったと推測される。「子ガメたちが無事に大海原へ旅立てるように静かに見守っていきたい」と話す。

 嘉陽さんは「9月ごろまで産卵が続く。コロナ禍だが村内海岸でキャンプや釣りをするなど行楽客が増えている。地域が世界自然遺産に登録され、ますます増えることが予想される。ゴールデンウイークや夏のキャンプなど、マナーを守り自然豊かなやんばるを堪能してほしい」と話した。
 (新城高仁通信員)