卓球NHK杯中学大会 男子は玉城一真、女子は熊田が2冠


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
ダブルスで優勝した琉球レオフォルテJrの仲里きらり(右)、熊田陽花=1日、県立武道館アリーナ(大城三太撮影)

 卓球の第39回NHK杯中学大会が4月30、5月1の両日、県立武道館アリーナで行われた。男子ダブルスは玉城一真・山城陽(琉球レオフォルテJr)が3―0で玉城廉・嘉数光弥(金武道場)にストレート勝ちした。玉城一真は初日のシングルスも制しており、2年連続で2冠を達成した。女子ダブルスは熊田陽花・仲里きらり(琉球レオフォルテJr)が3―2で田畑優希・桃原瑠(エナジックアカデミー)を退けた。熊田はシングルスと合わせて2冠を手にした。

[女子ダブルスV]熊田・仲里 共に左利き、不利な条件克服

 左利き同士で「やりづらさもあった」と言う熊田陽花・仲里きらりが、苦しみながらも頂点をつかんだ。陽花の母、熊田紫香(しか)監督は「左利き同士は動きや位置取りが難しい」と不利な条件を把握しつつ「チーム1、2位の実力者ペア」として、あえて挑ませた。

 決勝の最終5ゲームは9―5から追い上げられ、ジュースに持ち込まれた。最後は意地と粘りの連続得点で乗り切った。陽花は落としたゲームを「ラリーになった時に打ち込まれてしまった。受け身になっていた」と振り返る。サーブがさえ、レシーブで互いの位置取りがスムーズにいった時にゲームを取り返した。

 熊田監督は「仲里はバックの変化球がうまく、シングルスでも上位に食い込むなどプレーが安定している」と評価する。陽花には「苦しい場面で戦術を変える柔軟さがほしい」と少し手厳しかった。

 陽花は昨年、姉の陽茉梨に敗れシングルス2位、ダブルスは姉と共に制した。高校1年となった姉は宮崎の強豪校で競技に打ち込む。姉と同じ2冠達成の陽花は「姉にずっと負けていたので今年こそという気持ちが強かった」と笑顔。成長の源には常に姉の存在がある。
 (大城三太)

[男子ダブルスV]玉城・山城 甘い球見逃さず

男子ダブルスを制した琉球レオフォルテJrの玉城一真(奥)、山城陽=1日、県立武道館アリーナ(大城三太撮影)

 玉城一真・山城陽が全試合ストレート勝ちで完勝した。玉城は2年連続で単複2冠をつかみ、自信に満ちていた。攻めが魅力のスタイルを貫き、甘い球は見逃さなかった。

 決勝は第2ゲームに追い上げを許す場面もあったが、あとは危なげない内容だった。山城はスピードよりも回転を重視するループドライブを駆使し、相手から甘いレシーブを引き出した。卓球台よりも下からラケットを繰り出すのが特徴で、全体重を乗せるように球を打ち返した。玉城は「昨年よりもミスが減って安定していた。バックドライブでしっかり回転をかけて得点できた」と、ここぞの場面で強打が決まった。

 山城は6年生だった昨年まで父と宮崎に住み、卓球の技を磨いてきた。共に沖縄へ戻り、チーム内で仲間と切磋琢磨(せっさたくま)している。玉城はトレーナーの父から助言を受け、瞬発力を向上させるメニューで下半身強化にも取り組んでいる。

 玉城は「相手のサーブ回転を読んで勢いを止める技術を身に付けたい」、山城は「もっとバックを使いこなせるようにしたい」と次のステップを見据えた。
 (大城三太)