【回答一覧あり】沖縄県内首長、20人が憲法に「条文追加・見直し」 改憲必要なしは8人<本紙憲法アンケート>


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 琉球新報が41市町村長と県関係国会議員9氏に実施した憲法アンケートでは現憲法を評価する意見が多くを占めた一方で、改憲の賛否は分かれた。自衛隊の位置付けを含む9条改定についても賛否が割れ、否定的意見が多かったこれまでの調査よりも改定を求める声が強まった。一方で政権与党の自民党が改憲案に盛り込む「緊急事態条項」について首長には浸透していない現状がうかがわれた。ロシアのウクライナ侵攻などを受けて高まる「非核三原則」の見直しや「核共有」の議論を求める声は、首長・国会議員ともに限定的なことも浮き彫りとなった。

 現行憲法について、回答した39市町村長のうち、33人が評価すると答えた。一方、憲法改定については、20人が現行憲法を軸に条文の追加や見直しを選び、憲法を変える必要はないと回答した8人を上回った。3人は新憲法制定を選択し、8人はどちらでもないと答えた。現行憲法に「評価する」と回答した首長は「平和で豊かな社会の維持が守られている」(松川正則宜野湾市長)、「戦後77年、平和を希求する国であることを世界にアピールできた」(桑江朝千夫沖縄市長)との理由をあげた。唯一、評価しないと答えた糸数健一与那国町長は理由については無記載だった。憲法改定について、高良修一粟国村長は「日本はいつまでも押付けの憲法下にとどまる必要はない」、平良武康本部町長は「激変する国際情勢へ対応し、国民の生活・安全が守られるよう一部見直し等の議論が望まれる」と答えた。どちらでもないと回答した首長は「まずは国会でしっかり議論すべき」(當眞淳宜野座村長)と国の動向を注視するなどの理由が並んだ。新憲法制定を選択した松本哲治浦添市長は「憲法改正に伴う懸念があるならばその点も払拭するような新たな憲法を制定すべきだ」とした。(照屋大哲)