沖縄の市町村長、非核三原則「現状維持」が6割超<琉球新報・憲法アンケート>


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 琉球新報が41市町村長と県関係国会議員9氏に実施した憲法アンケートでは現憲法を評価する意見が多くを占めた一方で、改憲の賛否は分かれた。自衛隊の位置付けを含む9条改定についても賛否が割れ、否定的意見が多かったこれまでの調査よりも改定を求める声が強まった。一方で政権与党の自民党が改憲案に盛り込む「緊急事態条項」について首長には浸透していない現状がうかがわれた。ロシアのウクライナ侵攻などを受けて高まる「非核三原則」の見直しや「核共有」の議論を求める声は、首長・国会議員ともに限定的なことも浮き彫りとなった。

 ロシアのウクライナ侵攻後、一部の国会議員から「非核三原則」の見直しや「核共有」政策の議論を求める声が出ている。アンケートでは、非核三原則の見直しについて、「現状のままでよい」と回答した首長は全体の63.4%に当たる26人だった。

 「議論を進めるべき」と答えた首長は7人(17.1%)、「どちらでもない」は6人(14.6%)だった。宜野座村の當眞淳村長は「国際情勢の変化にあわせた議論は当然すべきと考える」、与那国町の糸数健一町長は「非核三原則の見直しも含めて議論すべきだ」などと議論の必要性に言及した。

 「核兵器廃絶平和都市」を宣言している那覇市や西原町などは「現状のままでよい」と回答。「唯一の被爆国である日本から核の廃絶を訴えるべき」(宮城功光大宜味村長)などと、日本が主導して核廃絶を求めていくべきとの声や、「国民の命を盾に(非核三原則の)見直しを進めるのは政治の堕落だ」(山川仁豊見城市長)と批判する声もあった。
 (長嶺晃太朗)