沖縄のポーク卵おにぎりが台湾で人気! 懐かしむ声に専門店が続々<台湾最強!彭國豪の沖縄発見>10


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
専門店前でポークたまごおにぎりを持つ彭さん

 台湾で「沖縄に行ったら必食のグルメ」と言えば、「ポーク卵おにぎり」だ。米と卵とポークにのりという台湾人にも親しみのある食材の絶妙な組み合わせもさることながら、島豆腐の厚揚げ入りやゴーヤーの天ぷら入りなどご当地色も豊かで、何より安くておいしい。沖縄旅行中には朝7時の開店前から並び、帰りは早めに空港に行って、国内線ターミナル1階の店でまた並ぶという人も珍しくない。

 そんなポーク卵おにぎりがコロナで食べられなくなった。「また食べたい」「早く食べに行きたい」と沖縄の味を懐かしむ書き込みはここ2年、後を絶たない。そしてついに「沖縄飯〓(おにぎり)」の名で店を開く人が現れ始めた。経営者にはわがファミリーはもちろん、日本からの台湾移住者も参入。屋台やおしゃれなフードトラックから、台湾全土に展開する今風の店まで、形態もさまざまだ。

あまりに食べたくなり、スパムを買ってきて彭さんファミリーが自分で作ってSNSに投稿した写真

 のりを自社製造し、米は台湾産のコシヒカリと本物志向のこだわりの店もあれば、カレー味のコロッケやトリュフ風味のマッシュルームを挟んだ台湾オリジナルメニューも登場。沖縄の2倍はありそうな巨大ポーク卵おにぎりや、揚げたソフトシェルクラブを一匹丸ごと入れた豪快なメニューで勝負をかける店もある。

 全国展開する某チェーン店はわずか2年たらずで香港、マカオ、シンガポールにも展開し、総店舗数は50に迫る勢いだ。もはや台湾で新たなスナックとして定着し始めたかに見える沖縄の食文化。図らずも台湾からアジアに新たな風を吹かせ始めている。

※注:〓は米ヘンに「團」

(口述・沖縄彭大家族・彭國豪、翻訳と構成・渡邉ゆきこ)