子どもを「ネット依存」から守ろう ククルビジョンが啓発動画を配信 「付き合い方学んで」


この記事を書いた人 Avatar photo 瀬底 正志郎
ネット依存やその予防法について説明する「てたカモ」(左)と「デジタルン」(ククルビジョン提供)

 スマートフォンやゲーム機器などへの依存から子どもを守ろうと、那覇市の映画会社ククルビジョン(宮平貴子代表)がクラウドファンディングで費用を募って制作した「てたカモプロジェクト」第2話の動画「もうハマってるカモ?新しい依存症」がこのほど完成した。動画投稿サイト「ユーチューブ」で約15分間の動画を配信している。

 「新しい依存症」と呼ばれるネット依存は、スマートフォンやゲーム機器、SNSなどの使用を続けるのがまずいと思いながらも、やめることができない状態を指す。ネット依存になると、勉強など他のことに集中するのが難しくなったり、夜遅くまでネットをして学校を休んでしまったり、ゲームを止められて暴力を振るったりするなど生活に支障をきたす。

 現在はネット依存の治療に対応する病院は全国的にも少なく、治療も数年単位と長引くことが多いとされる。そうしたことから、子どもがネット依存になる前に予防しようと、キャラクター「てたカモ」や「デジタルン」が、イラストやグラフを使ってネットとの付き合い方やケース別の予防法などについて説明する。

 動画は沖縄協同病院心療内科医師で、アルコールや薬物などの依存症治療に関わる非営利団体・沖縄ANDOGネットワーク研究会の小松知己さんが監修。ククルビジョンの宮平代表が脚本、作画、制作を担当した。「デジタルン」の声は人気アニメ「クレヨンしんちゃん」の初代声優などとして活躍している矢島晶子さんが務めた。

 宮平代表は「子どもはネット依存になると、人とのふれあいや友だちとの遊びの幅が狭まり、のちの人生に影響があると言われている。ネットとの付き合い方や本当に大切なことは何か気付いてもらうきっかけにしてほしい」と呼び掛けた。

 「てたカモプロジェクト」は、子どもから大人までを対象に、身近に潜む依存症について知り、注意すべき点について理解してもらおうと、啓発動画をつくっている。同プロジェクトの第1話「わかっちゃいるけどやめられない」ではアルコールや薬物など、依存症全般について取り上げている。

 同社では動画の放映などについての相談に対応している。問い合わせはメールinfo@kukuruvision.com。動画はこちらから。
 (嶋岡すみれ)