令和の怪物・ドルが圧勝 3年ぶりの復帰戦で沖縄最重量牛を破る 復帰50年記念闘牛


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 【うるま】県内外から精鋭牛が集まった復帰50周年記念大闘牛大会。23分超の封切り戦から両者合わせて2・5トンの巨漢牛がぶつかり合った結びの一番まで、好取組の連続で、会場を沸かせた。世話する闘牛の勇姿を一目見ようと、県外からの応援団も多く駆け付けた。

結びの一番で貴花大獣王を力強く押し込むドル(右)=7日、うるま市の石川多目的ドーム(喜瀬守昭撮影)

 沖縄最重量1300キロの貴花大獣王(ビックボス・ダイジュウオウ)と3年ぶりの実戦登場となる「令和の怪物」ことドルの対戦が注目を集めたシーの一番。角合わせ開始から、大獣王は得意の割り技で先制攻撃を仕掛けたが、ドルが冷静に受け止め、そのまま馬力を生かした押し込みを見せた。たまらず後退する大獣王の首の根元部分をさらに押し込み、1分17秒で決着した。3年ぶりのブランクを感じさせない圧倒的な強さに会場からは拍手が巻き起こった。

 県内屈指の実力と人気を兼ね備える新力Babyと徳之島代表の大寿荒風が激突した県対抗ドリームマッチ(シーの二番)では、Babyの猛攻に大寿荒風が打撃で応戦するものの、最後は腹取りからの押し込みで敗走した。

 Babyの牛主・平田ひとみさん(31)は「不安もあったが、みんなで頑張った。次は全島一を目指したい」と愛牛の勝利を喜んだ。この日、オープニングイベントで演武した空手の金城新選手も背中にまたがり、正拳突きなどを披露し、会場を沸かせた。

 若牛同士の戦いとなったシーの三番は、長いにらみ合いからスタート。ゆっくりとした角合わせから一転、激しい打ち合いが展開された。天心さくらがリーチがある開き気味の角を駆使した掛け技で上地龍王の首をひねるが、龍王もひるむことなく押し返した。しかし最後はさくらの強烈な右の掛けからの押し込みを前に敗走した。

 23分超の取り組みとなった封切り戦では、打撃の(株)伊波重機S53年生に対し、南星戦牛寿が押し込みで応戦するなど、両牛譲らず。S53年生が体力の限界を示す「舌出し」を見せるが、両牛が向かい合ったところで、先に戦牛寿が敗走し、S53年生の粘り勝ちとなった。

 各賞は次の通り。

 【優勝】ドル
 【技能賞】天心さくら
 【殊勲賞】葵冠
 【敢闘賞】(株)伊波重機S53年生

 8日は午後1時から、うるま市の石川多目的ドームで第116回春の全島闘牛大会が開催される。

(新垣若菜)