保証債務残高が3005億円で過去最高 21年度末、県信用保証協会


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 沖縄県信用保証協会が、事業者の融資に対し保証している債務残高(保証債務残高)は2021年度末で3005億1600万円、2万2145件となり、金額、件数ともに過去最高だった。新型コロナウイルスの影響で資金繰りが悪化した企業からの保証申し込みが急増した20年度に比べ、新規の申し込みと保証承諾は大幅に減ったが、返済期間の据え置き措置や条件変更で償還が進まず、保証債務残高は増加した。

 中小企業が金融機関から資金を借りる際、県信用保証協会が「保証人」の役割を担う。20年度はコロナ対策として導入された実質無利子・無担保の「ゼロゼロ融資」を受ける企業からの保証申し込みが急増したが、21年度は申し込み4170件、640億7500万円、保証承諾は4365件、675億1300万円と「コロナ前の水準」(協会の担当者)に戻った。

 一方で、ゼロゼロ融資に最長5年の返済猶予があることや、返済や保証の条件変更増加により保証債務残高は20年度比140億円(4・9%)増となった。21年度中の条件変更は3155件、577億9千万円あり、件数と金額ともに20年度に続き増加した。

 企業が返済できず、協会が肩代わりする「代位弁済」は21年度中148件(18億8100万円)あり、減少に転じた。同協会は、支援策によりただちに廃業、倒産に至るケースは回避されているが「長引く業績不振で過剰債務に陥る事業者も多く、今後の経営支援、再生支援の局面がさらにクローズアップされる」と見通している。

(當山幸都)