沖縄県、係争委員会に申し出へ 辺野古設計変更で国の違法性訴え


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 辺野古新基地建設の軟弱地盤改良工事を巡る設計変更申請を巡って県は、県の不承認処分を国交相が取り消した裁決を不服として、総務省の第三者機関「国地方係争処理委員会」に申し出る方針を7日までに固めた。週明けの9日にも表明する。

 県は昨年11月、沖縄防衛局の設計変更申請を不承認とした。防衛局は同年12月、行政不服審査法に基づいて国交相に県の不承認取り消しを求め、国交相は今年4月8日の裁決で取り消していた。県は係争委申し出で、私人の権利・権益救済を目的とした行政不服審査法を国の機関が用いた違法性などを訴える見通し。

 辺野古新基地建設を巡って、国交相は2018年の県の埋め立て承認撤回も、防衛局の行政不服審査法に基づく審査請求で取り消している。県が撤回効力回復を求めて提訴した訴訟で20年、防衛局による行政不服審査法の利用を合法とする福岡高裁那覇支部判断が確定している。今回の係争委申し立てでは、県が新たな主張を加えるなど、論理構築も焦点となる。

 国交相は4月28日、県に5月16日までに設計変更を承認するよう求める是正指示も出している。是正指示には法的拘束力があるため、県は指示に対しても係争委への申し立てなど対抗措置を検討している。(塚崎昇平)