辺野古設計変更、県と国が「二正面」で攻防へ 不承認取り消しと是正指示で判断期限迫る


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新基地建設に伴う埋め立て工事が進む辺野古沿岸部。4月25日で護岸着工から5年を迎えた=4月23日、名護市辺野古(沖縄ドローンプロジェクト提供)

 県の辺野古新基地建設の設計変更不承認に対して国は4月、不承認取り消しと県に承認を求める是正指示を出した。県はそれぞれに対して国地方係争処理委員会への申し出や抗告訴訟など対抗措置の検討を進めている。県と国の攻防は是正指示と不承認の取り消しの「二正面」で展開されることになりそうだ。

 県の不承認を取り消した国交相裁決は4月8日に出され、係争委申し出は5月9日が期限となっていた。他方、裁決自体の違法性を訴える抗告訴訟は10月中旬ごろが期限となる。裁決に対し、県が係争委と抗告訴訟の二つで対抗していく展開も想定される。

 国交相が4月28日に出した県に承認を求める是正指示は5月16日が承認期限で、指示に対する係争委申し出の期限は5月末となる。指示には法的拘束力があるため、承認期限までに係争委に申し出るか否か、県側は判断を迫られる。

 不承認取り消しと是正指示のそれぞれで係争委申し出が退けられた場合、県が不服として訴訟に至る展開が想定される。係争委と訴訟いずれかで県の主張が認められた場合は不承認が復活し、防衛局は現行の設計変更申請では軟弱地盤改良工事に着手できないことになる。

(塚崎昇平)