「琉球王国発祥の地」浦添の歴史や文化を1冊に りっか浦添、市内の小中学校に寄贈


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浦添の歴史や文化、自然などが紹介されている「うらしーんちゅぬ宝」

 【浦添】浦添市の活性化などに取り組む一般社団法人りっか浦添はこのほど、琉球王国発祥の地である浦添の歴史や文化、自然などについてまとめた冊子「うらしーんちゅぬ宝」(全36ページ)を発刊し、市内の小中学生全員に寄贈した。

 冊子には、浦添の歴史として、浦添グスク周辺には琉球最初の寺である「極楽寺」や「魚小堀(いゆぐむい)」という人工の池があったことや首里城正殿の正式名称が「百浦添御殿(ももうらそえうどぅん)」であることなどを紹介。また、浦添の察度王が始めた海外との「中継貿易」の仕組みや市内に点在する井泉(せいせん)などについてもイラストや写真を使って伝えている。現在は米軍に接収されている旧小湾集落の街並みなどについても触れている。

りっか浦添の前田幸輔代表理事(前列左)と上里隆史さん(同右)、松本哲治市長(同中央)=4月20日、浦添市役所

 4月20日、浦添市役所で贈呈式があり、りっか浦添の前田幸輔代表理事や冊子を監修した琉球歴史研究家で前浦添市立図書館長の上里隆史さん、松本哲治市長らが出席した。前田さんは「冊子を通じて浦添の子どもたちが浦添に誇りを持ってほしい」と語り、上里さんは「沖縄がなぜ独特の文化を持つに至ったかが一目で分かる」と太鼓判を押した。冊子を見た松本市長は「意外とウラシーンチュが浦添の歴史を知らない。今回素晴らしい冊子ができた。冊子を活用したい」と喜んだ。

 冊子は医療法人陽心会の協力の下、1万7千部を作成した。市内の小中学生のほか、県内の全図書館、県内各小学校、沖縄都市モノレールにも無償配布する。

(吉田健一)