名護市辺野古の新基地建設を巡り、県は9日、沖縄防衛局の軟弱地盤改良工事に伴う設計変更申請を県が不承認とした処分を国交相が取り消した裁決について「無効で、違法な国の関与に該当する」として、国地方係争処理委員会に申し出た。
県側は今回の係争委申し出で、国の機関の防衛局は私人とは異なり審査請求はできず、国交相は基地建設を推進する内閣の一員で公正・中立な判断を行うという前提がないことなどを主張する。
玉城デニー知事は9日、コメントを出し「中立・公正な審査をお願いしたい」と係争委に求めた。
さらに「大浦湾側の工事ができず、埋め立て工事全体を完成させることが困難だ。政府に対し対話による解決策を求める民主主義の姿勢を粘り強く求める」とした。
県は防衛局の設計変更申請を昨年11月に不承認とした。
防衛局は同12月に行政不服審査法に基づく審査請求を国交相にし、国交相は今年4月8日に県の不承認を取り消した。
国交相は5月16日を期限に、県に防衛局の設計変更申請を承認するよう求める是正指示を出した。県は是正指示に対しても違法性を訴え、係争委への申し出を検討している。
(塚崎昇平)