きょうB1チャンピオンシップ琉球vs秋田 それぞれの地元記者はこう見る


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昨年の天皇杯で闘う琉球-秋田。第2Q、ブロックショットで失点を防ぐ琉球のジャック・クーリー(左)=2021年12月1日、沖縄市の沖縄アリーナ(大城直也撮影)

 バスケットボール男子Bリーグ1部(B1)のチャンピオンシップ(CS)が13日開幕する。沖縄市の沖縄アリーナでは、圧倒的な強さで西地区を制した琉球ゴールデンキングスが、ワイルドカード2位で辛くも出場権を勝ち取った秋田ノーザンハピネッツと対戦する。共に熱狂的なブースターに支えられ、旧bjリーグから競い合ってきた両チームはどう戦うのか。それぞれの地元新聞の担当記者が展望する。

■最も勢いある秋田 元キングスの古川の活躍も注目

 琉球新報編集局暮らし報道グループ運動班・謝花史哲

 接戦を勝ち抜きチャンピオンシップ(CS)最後の一枠をつかんだ秋田。CSに進出したチームで最も勢いがあると言っていい。

 キングスは確かに早々と西地区優勝、CS進出を決めリーグ最高勝率を記録したが、シーズン最後まで張り詰めた中で試合を重ねてきた秋田の爆発力は未知数で恐怖しかない。

 キングスはリーグトップのリバウンド力を強みに攻守で優位性を保ってきた。しかし秋田は、それを沈黙させるシュート力がある。

 3点弾成功率37・8%はリーグ1位。ミドルシュートも含め、外から攻め立てられたら手が付けられなくなる。元キングスの古川孝敏が沖縄のファンの前で躍動する姿も楽しみだ。

 キングスは全員がマッチアップの相手に張り付き自由にさせない堅守が持ち味だ。強度の高い守備を持続し、いかにシュート成功率を落とすかが鍵を握る。

 西地区5連覇で悲願のリーグ制覇を狙うキングスにとっても負けられないCSになる。bj時代からしのぎを削り、Bリーグ開幕から6年目で初のCS進出を果たした秋田との一戦は、沖縄のブースターにとっても心躍る対戦カード。

 敵地だとは思うが、最高のパフォーマンスで沖縄アリーナをキングスとともに沸かせてほしい。

■機敏さとシュート力備えた琉球 成功率No1の秋田3点シュートに期待  

 秋田魁新報社デジタル編集部・加藤倫子

 B1歴代最高勝率を叩き出した今季の琉球は、まさに“キング”の名にふさわしい。CSでも優勝候補の筆頭であることは間違いない。屈強なセンター陣、機敏さとシュート力を兼ね備えたガード陣が繰り出す隙のない攻守を打ち崩すのは、決して容易ではないだろう。

 しかし、今季の秋田は成長した。何年も磨き続けてきたハードな守備は精度と持続力を高め、成功率リーグナンバーワンの3点シュートという武器も加わった。ここ一番の集中力を発揮すれば、キングに一泡吹かせることもできるはずだ。

 秋田とは琉球は旧bjリーグ時代、互いにしのぎを削ってきたチーム同士。2014年に有明コロシアムで行われた優勝決定戦で、琉球の岸本隆一の3点シュートが爆発して秋田が敗れたのはブースターにとって語り草だ。

 しかし、Bリーグ発足後は西地区を代表する強豪の地位を確立した琉球に対し、秋田はB2降格を経験するなど、大きく差を付けられた。毎年少しずつ成長を積み上げ、CSという大舞台で琉球と対戦できるのは光栄だ。ぜひとも勝利し、かつてのライバルに肩を並べるのを見たい。


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