上間陽子琉大教授が指摘「復帰の遅れ、若年層支援の弱さに」 日本記者クラブオンライン講演


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オンラインで県内女性らへの聞き取り調査について話す上間陽子琉球大教授=12日

 【東京】沖縄の日本復帰50年に合わせた日本記者クラブの企画で、上間陽子琉球大教授は12日、オンラインで講演し、自身の聞き取り調査を基に県内の若年女性らが置かれた状況や支援における課題を解説した。「復帰が遅れたことが(女性や若年層の支援についても)行政の足腰の弱さにつながっている」と訴えた。

 上間教授は、沖縄の風俗業界で働く若者たちと若年出産をした女性たちに聞き取りをした内容を詳しく紹介した。暴力を受けた経験のある女性たちが暴力の体験を言語化する難しさを指摘。「(女性たちは)問題を誰かに話して解決できると思っていない。外から見ると困難が見えづらい」と語った。

 これらの問題について米施政権下に置かれ続けた影響も指摘した。日本は戦後すぐに地域の保健師らによって避妊方法に関する知識が広まったが、沖縄では避妊や出産に関する教育も遅れたとし「普通に享受できたはずの避妊に関する知識から(沖縄は)遠ざけられてきた」とした。

 (明真南斗)