参院の沖縄復帰50年決議、先送り 「地位協定」記述に自民が異論


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 【東京】沖縄の日本復帰50年に関する参院での決議について、立憲民主党の難波奨二参院国対委員長は12日、国会内で会見し、復帰式典が開かれる15日までの参院本会議での決議を断念したと明かした。与野党は13日の本会議での決議を目指して調整を進めてきたが、「日米地位協定」の記述を巡って折り合いがつかなかったという。

 難波氏や野党関係者によると、復帰50年の参院での決議は、参院政府開発援助等及び沖縄北方特別委員会(青木一彦委員長)の与野党理事で協議が進められてきた。

 11日までに決議案の最終調整が行われ、与野党で内容について一度合意した。しかし、12日午前に自民側から合意内容の破棄と「日米地位協定」に触れた部分の文言について修正要求があった。

 野党側が提案した「見直しの検討」の文言を削除し、岸田文雄首相が演説などで繰り返し用いる「あるべき姿を不断に追求」との表現にとどめるよう求めた。この要求に野党側が反発し、当初目指していた13日の参院本会議での決議を見送ることが決まったという。16日以降に協議される見込み。

 難波氏は会見で「党利党略、まさに自己都合」と自民の姿勢を批判した。参院沖北委の理事を務める別の野党議員は決議を断念した最終案について「一度は与野党で了解され、全会一致での可決を目指せる内容だった」と悔やんだ。

 復帰50年の決議を巡っては、衆院では4月、沖縄北方特別委員会、本会議で賛成多数でそれぞれ可決。参院では4月、参院沖北委で賛成多数で可決していた。
 (安里洋輔)