沖縄県、係争委申し出へ 辺野古設計変更、国の是正指示不服


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新基地建設が進む名護市辺野古の海域=3月17日

 米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設を巡り、県は13日までに、沖縄防衛局が提出した設計変更申請を承認するよう求めた斉藤鉄夫国土交通相の是正指示を不服とし、国地方係争処理委員会(係争委)に審査を申し出る方向で調整に入った。国交相は今月16日までの期限を設け、設計変更を承認するよう県に指示している。

 地方自治法に基づく是正指示には法的拘束力がある。設計変更を承認しない構えの県は、16日にも係争委への申し出を表明するとみられる。是正指示に対して係争委に審査を申し出る場合の期限は今月30日のため、県の実際の申し出は17日以降になる可能性もある。

 防衛局は大浦湾側の軟弱地盤の改良工事に必要な設計変更を県に申請していたが、玉城デニー知事は昨年11月に設計変更を不承認とした。不承認を不服とした沖縄防衛局は、行政不服審査法に基づく審査請求を国交相に申し立て、国交相は4月に、県の不承認処分を取り消す裁決を決定したほか、県に設計変更の承認を求めて勧告・指示を出した。

 県は今月9日、不承認を取り消した国交相の裁決については、既に係争委に審査を申し出た。裁決の取り消しを求める抗告訴訟も今後検討するとみられる。

 県は「期限内に取れる手を取らないと、国の主張を認めたことになる」(関係者)として、是正指示への対応を含め、引き続き対抗措置を取っていく方針だ。
 (塚崎昇平)