【要旨】復帰50年県民大会宣言


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登壇者に拍手する県民大会の参加者ら=15日、那覇市の那覇文化芸術劇場なはーと(喜瀨守昭撮影)

 沖縄は「祖国」復帰から50年を迎えた。沖縄戦終結から27年の米統治の下、住民の人権は蹂躙され、高等弁務官の発する布令・布告の紙切れ1枚で土地が強奪され、米軍基地は拡張を重ねた。

 祖国復帰協議会は、国民主権・基本的人権の尊重・平和主義を高らかに謳(うた)う日本国憲法を持つ日本への復帰を求めて運動を積み重ね、復帰を実現した。しかし基地のない沖縄を求めた希望は打ち砕かれ、政府の約束した「核抜き本土並み」返還さえ反故にされている。だからこそ1978年5月、変わらぬ基地の島沖縄の内実を問い直すべく、平和行進を歩き始めた。

 今日、米軍基地の「自由使用」がまかり通っている。2020年までに基地派生の事件事故は6千件を超え、中でも殺人・レイプなどの凶悪事件は580件を超えている。

 基盤整備が進み、年間観光客は1千万人に達するなど経済的に大きく成長した面もあり、雇用や失業率も一定の改善がみられる。だが県民所得は依然全国平均を下回り、必ずしも豊かさに結びついていない。コロナパンデミックにより、観光業依存型経済の脆弱さが露呈している。基地依存型経済をつくりだしてきた米支配の27年、それを引き継いだ日本政府による基地維持を前提とした沖縄振興の弊害があらわになっている。

 民意はないがしろにされ、オスプレイの配備、辺野古新基地建設や先島へのミサイル基地配備が強行され、沖縄は米軍と自衛隊、日米の軍事要塞と化している。

 玉城デニー知事は「平和で豊かな沖縄の実現に向けた新たな建議書」を策定し、日米両政府に提出した。琉球政府・屋良朝苗主席が提出した「復帰措置に関する建議書」に託された基地のない平和な島はいまだ達成されていないとして、改めて辺野古新基地建設の断念や日米地位協定の抜本的改定と同時に民意の尊重を強く求めている。新たな建議書の実現を目指すとともに、県民大衆の英知により骨肉化されていくことを期待する。

 ロシア・ウクライナ戦争が止まらない。日本政府と欧米諸国は、軍備を増強し、戦争の準備を進めているかのように見える。国内でも核共有論が跋扈(ばっこ)し、先制攻撃を正当化する論理がまかり通っている。参議院選挙の結果次第では、改憲へと及びかねない。「台湾有事」となれば南西諸島、なかでも与那国、石垣、宮古島が最前線の戦場となるだろう。抑止力は万能ではない。私たちは、沖縄を、日本を、戦場にさせてはならない。戦争をさせてはならない。

 復帰とは平和憲法に還(かえ)ることだった。平和憲法が最大の危機を迎えている今日、守り抜くことが50年のち「復帰して良かった」と心から喜びあえる日につながる。

 県民大会の参加者一同は、基地のない沖縄、平和な日本、戦争のない世界をつくるために力を尽くすことを、全国の、そして世界の友人に誓う。

 5・15平和とくらしを守る県民大会参加者一同