本日、天皇皇后両陛下をはじめ、多数のご来賓ご参列のもと、日本政府と沖縄県による復帰50周年記念式典が挙行されるにあたり、ごあいさつの機会を与えていただき深く感謝いたします。
さる大戦では沖縄から本土へ向かう疎開船が敵艦攻撃を受け沈没、多くの犠牲者を出しました。
私たちはこの歴史的悲劇を忘れてはならないと対馬丸沈没から60年目の平成16年8月に「対馬丸記念館」を建設いたしました。記念館には次のような建設理念が書かれております。
〈今も世界では報復の連鎖が子どもたちから新たな夢と希望を奪っています。この報復の連鎖を断ち切る努力を一人一人がすること。これこそが、対馬丸の子どもたちから指し示されたわたしたちへの「課題」ではないでしょうか〉
この瞬間にも世界では多くの子どもたちが命を失い、家族を失い、夢や希望を奪われています。
沖縄には「命どぅ宝」という素晴らしい言葉があります。それは「命こそ何物にも代えがたい宝物だ」ということです。
復帰から50年がたちましたが、私たちが望んだ沖縄県はまだ道半ばの感があります。一日も早く沖縄が「世界平和の発信地」となることを願い私のあいさつといたします。
令和4年5月15日
公益財団法人対馬丸記念会 代表理事 高良政勝
(共同通信)