島田氏の記念誌寄贈 期成会 学校や公立図書館へ


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島田叡氏事跡顕彰事業で記念誌と「わたしたちの戦争体験6」を県内各学校に献本し、県教育長に報告する同期成会の嘉数昇明会長ら=31日、県庁

 兵庫県出身で沖縄戦時に県知事を務めた島田叡(あきら)氏の「事跡顕彰期成会」(会長・嘉数昇明元副知事)は、戦後70年に合わせて進めてきた顕彰事業に関する記念誌約700冊を県内の学校や公立図書館に寄贈する。8月31日、県教育庁に諸見里明教育長を訪ね、配本への協力を依頼した=写真。

 同会はまた、沖縄戦当時の県職員で期成会顧問を勤める板良敷朝基さん(98)の体験が掲載されている児童書「わたしたちの戦争体験6巻沖縄」(学研教育出版)約280冊を小学校に贈った。嘉数会長は「島田知事は死を覚悟して沖縄に赴任し、県民の立場に立って疎開や食料確保に尽くした。その精神や歴史を特に若い人たちに知ってほしい。『わたしたちの戦争体験』は分かりやすい本で、大人も学べる」と話した。諸見里教育長は「戦後70年でもあり、平和教育には力を入れている。活用を後押ししたい」と答えた。
 記念誌は中高校や特別支援校、大学ほか公民館と図書館に、「わたしたちの-」は小学校に贈られる。離島を含めた市町村教育委員会への発送は、島田知事と同じ兵庫高校出身の工藤恭孝氏が社長を務める丸善ジュンク堂書店が協力する。
 板良敷さんは「どんな問題も、命をしっかり守っていれば解決しないものはない」とメッセージを寄せた。