ストーカー接近禁止が最多 「命令」58件 前年比13件増 21年沖縄県警まとめ


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 2021年に県警がストーカー行為者に対して接近や連絡を禁じる「禁止命令」を出した事案が、前年比13件増加の58件で過去最多になることが17日までに県警のまとめで分かった。県警人身安全対策課は「大きな事件に発展する前に、実効性を重視して、近年は禁止命令を積極的に運用している」と説明した。禁止命令は17年に3件、18年に1件、19年に17件、20年に45件だった。  

 ▼沖縄で起きた事件・事故

 ストーカー規制法では、被害者が求めた場合に、警察はつきまといなどの行為者に文書で警告できる。行為者がさらにつきまとう可能性などがある場合に禁止命令が出せる。

 文書警告について17年は31件、18年は13件と減少傾向にあり、21年は4件だった。禁止命令を受けた上で、さらにストーカー行為に及んだ場合、ストーカー規制法違反での摘発が可能になる。同規制法違反の摘発件数は、18年と19年は9件だったが、20年は21件、21年は17件だった。

 県警に寄せられた21年のストーカー関連の相談件数は171件だった。行為者との関係は交際相手(元交際相手を含む)が69件と最多。次に配偶者(元配偶者を含む)が22件、職場関係が13件、知人友人が12件と続いた。

 同課の照屋寛史次席は「ストーカー被害者の多くは女性だが、男性が被害者になる場合もある」と指摘する。22年4月13日には40代男性につきまとい行為をしたとして、20代女性がストーカー規制法違反で逮捕された。

 21年8月には同法が一部改正され、許可なく衛星利用測位システム(GPS)から位置情報を取得する行為や、GPS機器を取り付ける行為も規制の対象となった。
 (友寄開)


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