ストーカー行為者の中には、あらゆる手段で接触を図り、被害者を苦しめる場合もある。つきまといなどのストーカー行為に悩まされてきた那覇市の30代男性が琉球新報の取材に応じ、ストーカー被害の実態や長引く苦悩を明かした。
那覇市内の会社に勤める男性は仕事上で知り合った40代女性から7年以上、つきまといなどのストーカー行為を受けている。女性と面識はあるが、あいさつ程度で会話もほとんどしたことがない。突然、一方的に手紙が複数送り付けられたほか、就業後に職場の外で待ち伏せされる日々が続いた。女性の一方的な好意に困惑しながらも、当初は危険と捉えていなかったという。「(女性は)暴力的な危害を加えるような人には見えなった。避けていればいなくなると考えていた」と振り返る。
しばらくして、女性は接触を図ろうと男性の親族を装い職場へと侵入した。職場の上司が通報して、警察が駆け付ける事態となった。「受付で『親族だ』と、うそをつき社内に入ってきた。(女性は)悪びれることもなく、ストーカー行為だと自覚している様子はなかった」。その後も女性は親族を装って、会員制交流サイト(SNS)を使い、男性の関係先にメールを送るなどの行為を繰り返した。
男性が子どもや妻といるところにも出没するなど、周囲や家族への影響も危惧され、エスカレートした行為は現在も続く。「こちらの気持ちを(女性に)説明しても、一方的な思考で理解してもらえない。避け続ける生活にも限界がある。いったい、いつまで続くのか」と話し、打開策の見えないストーカー行為に頭を抱える。
(高辻浩之)