白い果肉のパイナップル「ホワイトココ」が誕生 甘い香り 沖縄県が開発 


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新品種「沖農P19」(ブランド名・ホワイトココ)
県農業センターなどがゲノム解読したパイナップル「ゆがふ」(同センター提供)

 沖縄県農林水産部は17日、生食用パイナップルの新品種「沖農P19」が農林水産省に品種登録されたと発表した。果肉が白く香りが高い「ゆがふ」と、桃に似た香りの「ソフトタッチ」を掛け合わせた。果肉が柔らかくて白色、糖度が16%以上で食味がよく、甘いココナツのような香りが特徴。ブランド名は、県内外の一般消費者への好感度調査などを踏まえ「ホワイトココ」に決定し、21年2月に商標権を取得した。

ホワイトココを紹介する(左から)県農業研究センター名護支所の竹内誠人班長、崎原盛光農林水産部長、県農業研究センター名護支所の正田守幸支所長=17日、県庁

 県は拠点産地の東村、石垣市、竹富町で実証実験を行っているほか、種苗を増殖し供給体制の整備を進めている。

 高品質の果実を出荷するため、県は「ホワイトココ出荷ガイドライン」をもうけ、ブランド化による市場競争力強化も図っていく。

 農業研究センター名護支所が2000年から開発に着手。08年から系統名を付し地域適応性を検討。19年度から「普及に移す技術」として選定された。農林水産省に品種登録を出願し、21年12月に登録された。

 果実は1・3キロ以上の大玉で、1回目の果実収穫後の葉の間から発生する栄養芽「吸芽」を育成し2回目を収穫する「株出し栽培」での果実量も1キロ以上あることから、高い収量が見込めるという。
 (玉城江梨子)