PFAS、北谷浄水場が全国2番目 20年度23ナノグラム 厚労省調査


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 厚生労働省が2019年度と20年度に行った水道水に含まれる有機フッ素化合物(PFAS)の調査で、北谷浄水場の値がいずれも全国的に高かったことが18日までに分かった。国の暫定目標値(1リットル当たりPFOS・PFOA合算値50ナノグラム)を超えていないが、市民団体は「本来、ゼロでなければならない」と指摘している。

 厚労省は19年度39カ所、20年度29カ所の水質を調査した。北谷浄水場のPFASの値は、19年度が26ナノグラムで全国で3番目に高く、20年度は23ナノグラムで全国2番目だった。

 19年度に値が最も高かった兵庫・明石川浄水場は発生源を特定。活性炭を導入し現在は最大30ナノグラムまで低減した。19年度に2番目に高かった東京・国分寺北町第二浄水所と20年度に最も高かった愛知・豊山配水場では発生源は特定されていないが、高い値が検出された井戸からの取水を停止した。

 沖縄県は発生源を特定するため、北谷浄水場の取水源の一つである大工廻川、嘉手納井戸群がある米軍嘉手納基地への立ち入り調査を求めているが、実現していない。企業局は浄水場に活性炭を導入して低減を図っている。

 「有機フッ素化合物(PFAS)から市民の生命を守る連絡会」共同代表の伊波義安さんは「日本の暫定目標値は安全な値ではないという指摘が研究者から上がっている」と説明。「発生源を特定し除去しない限り汚染は続く」として基地立ち入り調査が実現していない現状に強い怒りを示した。
 (安里周悟)