プロ野球パ・リーグの埼玉西武ライオンズ―福岡ソフトバンクホークス戦は18日、那覇市の沖縄セルラースタジアム那覇で2戦目が行われ、ソフトバンクが3―2で勝利した。
山川、又吉から安打 アーチならずも拍手喝采
3年前と同じくアーチは描けなかったが、リーグ断トツの本塁打数を誇る山川穂高が地元で拍手喝采を浴びた。
見せ場は八回にやって来た。マウンドに上がったのはソフトバンクの中継ぎで同郷の又吉克樹。前回対戦では三振に打ち取られていた。追い込まれてからファウルで粘り、7球目の外角高めのカットボールをたたいて中前打にした。それまで中飛や遊ゴロ併殺、申告敬遠で大砲として活躍できていなかった分、観客の喜びは大きかった。
山川も一塁上で安堵(あんど)したように破顔した。「又吉さんはコースも球もビタビタで狂いがなく、最高の球が来ていた」とたたえつつ、「それを打ち返すことができてよかった」としてやったりの表情を見せた。
3年前に同じ球場で放った本塁打を「人生で最高のホームラン」と評すほど、地元での戦いに特別な思いを寄せている。今回の試合で知人らを招待するため、計約150万円分のチケットを自ら購入したという。
「ホームランを披露することはできなかったが、2日間楽しくプレーできた」と満足そう。本土復帰50年の年に、県出身者として大舞台で活躍する勇姿と誇りを見せた。
(金良孝矢)
又吉 1点差守る好投 八回に登板「一生の思い出」
1点リードの八回にマウンドを託されたソフトバンクの又吉克樹が西武の上位打線を抑え込み、チームに勝利を呼び込んだ。地元沖縄でヒーローインタビューに立ち「皆さんの思い出になったらうれしい」と歓声にこたえた。
先頭の2番金子に初球から強気の投球。内角をえぐる速球でバットをへし折り二飛に。3番愛斗には粘られながらも球威で負けなかった。
145キロ前後のカットボールを中心に攻め立て、邪飛に仕留めた。4番山川穂高には安打を許したが、代走が飛び出したのを見逃さず、挟殺プレーにつなげた。
中日在籍以来、7年ぶりの沖縄での公式戦。今季からパ・リーグに移り、沖縄を代表する強打者の山川との対戦を地元のファンに披露することもできた。
復帰50年の節目の年に故郷で登板できたことにも「こうして野球ができていることは当たり前ではない。感謝しながらやっていきたい」と感慨深げ。
さらに「中高での補欠選手がマウンドに上がった。10年前の自分だと信じないと思う。一生の思い出に残る登板になった」と話し、多くの子どもたちに「今はくすぶっていても頑張って続けてほしい」とメッセージを送った。
(謝花史哲)
名幸審判員が塁審を務める 「地元でうれしい」
日本野球機構(NPB)の県出身・名幸一明審判員(興南高出)が17、18日の西武―ソフトバンク戦で塁審を務めた。審判員歴25年目で、昨季までに1522試合に出たベテランだ。
以前に「地元で審判をするのはうれしい」と話しており、一つ一つのジャッジに集中していた。