嘉手納基地の弾薬庫1棟を移転、弾薬庫地区に 日米合同委 ロウワー・プラザ地区共同使用も合意


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 【東京】防衛省は19日、米軍キャンプ瑞慶覧ロウワー・プラザ地区(約23ヘクタール)について、返還までの間、緑地公園として共同使用することで日米合同委員会で合意したと発表した。また、米軍嘉手納基地にあった弾薬庫1棟(約380平方メートル)を嘉手納弾薬庫地区へ移転したと発表した。合同委で米側への提供を承認した。防衛省によると、工事費は契約ベースで約6億4500万円。

 ロウワー・プラザ地区の共同使用について、防衛省は「既存の米軍住宅は老朽化が激しく、安全面の懸念や景観への悪影響が生じている」と説明した。解体工事と並行して公園を整備する。既存の変電施設5棟や柵、給水管、道路、ソフトボール場なども共同使用することになった。

 ロウワー・プラザ地区の返還には、代わりの住宅102戸を同じキャンプ瑞慶覧の別地区に建設することが条件付けられており、その住宅がまだ完成していないため、返還のめどが立っていない。ただ、同地区に暮らしている米軍関係者は現在いないため、防衛省は土地を緑地公園として活用することを決めた。

 弾薬庫の移転は、1996年の日米特別行動委員会(SACO)合意に基づく騒音軽減措置として決まった海軍駐機場の移転に伴うもの。
 (明真南斗)