中部河川取水を中止 PFAS、県、嘉手納井戸は抑制


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 北谷浄水場の原水・浄水から人体に有害とされる有機フッ素化合物(PFAS)が検出されている問題に絡み、県企業局が浄水場の取水源の一つであり、PFASが高い値で検出されている比謝川、長田川、天願川からの取水を止め、嘉手納井戸群からの取水も減らしていることが20日までに分かった。取水停止・抑制後、PFOS・PFOAの値は大きく下がっている。

 取水停止は長田川が1月28日、比謝川が2月1日、天願川が同3日からそれぞれ実施。井戸群は同2日から取水を抑制し、1日平均1万6100立方メートルから施設を維持するために最低限必要な5800~5900立方メートルとなっている。国が設定した暫定指針値は1リットル当たりPFOS・PFOA合算値50ナノグラム。停止・抑制前は原水最大75ナノグラム、浄水同35ナノグラム、停止・抑制後は原水同3ナノグラム、浄水同6ナノグラムとなっている。

 県企業局は停止・抑制の理由にダム貯水率が平年値を10ポイント超上回っていることと共に、PFASに対する関心が高まり、低減を求める声が上がっていることも挙げる。

 期間については、最長で東系列導水路トンネル改築の22年度工事が始まる11月までだが、貯水率、降水量など次第で取水を再開する可能性もある。

 県企業局は「安全な給水を考えると、取水を停止・抑制するにこしたことはない」としつつ「安定した給水を考えると、渇水時、どうしても取水しなければならない」と葛藤をにじませた。
 (安里周悟)