川崎と那覇、交流発展を誓う 佐藤惣之助の詩碑を首里城公園に移設


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佐藤惣之助詩碑を背にする(左から)久高友弘那覇市議会議長、比嘉孝川崎沖縄県人会名誉会長、山川宗徹さん、城間幹子那覇市長、福田紀彦川崎市長、橋本勝川崎市議会議長=20日、那覇市の首里城公園

 神奈川県川崎市出身の詩人・佐藤惣之助の詩碑が当初の設置場所である首里城公園に30年ぶりに戻ったことを記念する式典が20日、那覇市の同公園で開催された。詩碑は1959年、川崎市から那覇市に友好親善を深めようと寄贈された。20日の式典には福田紀彦川崎市長らが参加し、沖縄側との交流発展を願った。

 佐藤は22年に沖縄を旅し、「琉球諸嶋風物詩集」を刊行した。詩碑は当時、琉球大構内だった首里城跡地に設置。だが首里城復元に伴い、92年に市内の虎瀬公園に移設された。首里城公園への再設置を求める那覇、川崎両市民の声を受け、那覇市は昨年10月に詩碑を戻した。

 城間幹子市長は「(96年5月20日の)川崎市との友好都市締結から26年目となる記念日に挙行できたことは喜ばしい。両市のつながりが未来永劫(えいごう)続くことを願う」と述べた。福田市長は「移設は(川崎市民の)悲願だった。100年前、佐藤も私たちと同じ景色を見て沖縄の素晴らしさを受け止めた。時は変わっても絆は変わらない」と語った。

(伊佐尚記)