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大麻は違法、傷つくのは誰か考えてほしい―。沖縄県内で若年層を中心とする大麻などの薬物事犯が後を絶たない。10代で大麻の使用を始め、20代の時に大麻取締法違反容疑で逮捕された経験のある男性が琉球新報の取材に応じ、大麻の弊害や摘発後の後悔の念を語った。
10代後半から大麻の使用を繰り返していた男性は20代前半のころ、那覇市内で友人から預かった大麻草を車内に所持していたとして大麻取締法違反容疑で逮捕された。警察署に約20日間留置され、送検後に起訴猶予処分が下された。「大麻は酒やたばこの延長でファッショナブルぐらいの認識。人に迷惑は掛けていないし、捕まる前にやめればいいと甘く考えていた」と振り返る。
事件後、学生だった男性には高額な弁護料などの金銭的負担がのし掛かったほか、家族や知人の信頼を裏切り、周囲から孤立した状態になった。事件以降、「口をきいてくれなくなった友人もいる」と肩を落とす。その後、男性は県外へ移り住み、結婚して家庭を設けたが、妻子に逮捕された事実は話していない。
インターネットや交流サイト(SNS)などで氾濫する大麻情報に男性は嫌悪感をあらわにする。「大麻は『常習性がなく安全』『海外では合法』など、もっともらしい書き込みをする人らを目にする。しかし、この国で大麻は違法。法に抵触すれば自分と同様の報いを受けることになる」と訴える。友人の中には、その後も大麻の使用を続け、購入資金欲しさに犯罪行為に手を染め、職も家庭も失った人もいるという。「ネットには、良さげに大麻の情報が上げられている。自分の大切な人たちを裏切り、傷つけるといった代償を払うほど、大麻に価値は感じられない。手を出す前に、一番傷つくのは誰か考えてほしい」と語気を強めた。
(高辻浩之)