琉球新報社 プロバスケットボールBリーグの年間王者を決めるチャンピオンシップ（CS）は21日、準決勝が始まった。2戦先勝方式で、琉球ゴールデンキングス（西1位）は沖縄アリーナで島根（西2位）と第1戦を行い、94―85で競り合いを制した。キングスは第1クオーター（Q）、島根の外角からのシュートを止められず34失点で劣勢に立たされた。攻撃では序盤からインサイドを厳しく守られ苦しんだが、我慢強く攻め続けじわじわと追い上げ。第3Q終盤、アレン・ダーラムが攻守で躍動するなど、同点に追いつき最大21点差を振り出しに戻した。第4Qは今村佳太や岸本隆一が要所で3点弾を効果的に沈めたほか、ゴール下へのアタックで攻勢を仕掛けて巻き返し、逆転勝ちを決めた。第2戦は22日午後7時5分から同会場で行われる。
▽準決勝第1戦（沖縄アリーナ、8020人）
キングス（西地区1位）1勝
94―85（21―34，16―14，25―14，32―23）
島根（西地区2位）1敗
【評】キングスは第1クオーターにゴール下へのアタックが思うようにいかず、島根にリズムを握られ外角から攻め立てられた。前半、最大21点のリードを許したが、粘り強く守り続けて攻撃回数を増やし、持ち味であるボールを動かして得点につなぐプレーが徐々に機能し、序盤の劣勢をひっくり返して先勝をつかんだ。
今村 厳しいプレーで流れ
耐え抜いた先に大きな1勝をたぐり寄せた。キングスは最大21点差をひっくり返す逆転劇で先勝を飾り、悲願の決勝進出へ王手をかけた。攻守で厳しいプレーに力を注いだ今村佳太は「ワンプレーで変えるというより、やり続けて機会をつくり出したことが逆転につながった」とチームの冷静さと遂行力の高さを誇った。
流れをつくったのは、持ち味の堅守からだった。乗せると「怖い」（桶谷大ヘッドコーチ）、島根の安藤や金丸に、今村や岸本隆一らが張り付き、自由にさせなかった。第1Qこそ安藤を中心に攻め入られたが、第2Q以降は厳しい状況に追い込み得点機を摘み取った。
ここからボールを奪うと速い動き出しで、徐々にキングス本来の動きに。今村は「第1Qで気持ちが折れてもしょうがなかった」と振り返るが、これまでの積み上げた経験からチームは諦めなかった。「自分たちのやってきたバスケの形をやり続ければ流れが来る」と信じ、コートを動き続け、自身はチーム最多21得点と引っ張った。
昨季も壁となった準決勝。今村は「こういう勝ち方ができたのは大きい。この流れは簡単に手放したくない」と、2連勝で初の決勝進出を狙いにいく。
（謝花史哲）
耐えて攻められた
桶谷大HC（キングス）の話 全体的にゲームを通して安藤と金丸選手を抑えたのは大きかったと思う。第1クオーターはしんどくなったが、第2クオーターは耐えて攻められた。最初でやられると難しくなる。明日は出だしからボールを動かしてアタックしていけるようにしたい。
チャンスはある
ポール・ヘナレHC（島根）の話 勝つために来た。強豪に攻め入る要素はあったが、勝ちをつかむまでには、いろんなことが足りなかった。フィジカルのゲームになるのは分かっていた。そこの修正が必要。チャンスはある。修正し明日はそれをものにするだけだ。
