宮古高の校章の木「カンラン」を植樹 6期生が再挑戦「順調に育って」


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
市熱帯植物園にカンランを植樹した平良榮賢さん(左)と座喜味一幸市長=4月26日、宮古島市平良

 【宮古島】宮古高校の校章に描かれているカンラン(和名ウオノホネヌキ)を島に根付かせたいと、宮古島市出身で同校6期生の平良榮賢さん(86)=那覇市在住=が4月26日、市熱帯植物園と宮古高校にカンランの木を植樹した。平良さんは「なんとか根付いて島の皆さんに見てほしい」と期待を込めた。

 カンランはアジア原産の常緑高木。果実は食用にされ、種子からは油が採れる。オリーブに似ているが別種。宮古高校の校章は、カンランの葉と智・仁・勇の三つの矢と「高」の文字で構成されている。平良さんによると、同校行進曲の歌詞にもカンランが入っている。同校教諭で俳人だった故・篠原国堅さんが出身地(鹿児島)の樹木だったカンランを盛り込んで作ったという。

 平良さんは35年前に宮古高60周年記念に合わせ、恩師の「カンランを母校に植えたい」との希望に応えて一度同校に植樹しているがうまく育たなかった。

 失敗がずっと心残りだった平良さんは「なんとか島に根付かせたい」との強い願いで鹿児島県の種子島にある薬用植物資源研究センターと交流を重ね、苗と種を譲り受け、市に託した。

 30センチほどに育った苗木2本と種六つを植えた平良さんは「最後のチャレンジだ。今度こそ順調に育ってほしい」と願った。共に植樹した座喜味一幸市長は「平良さんの強い思いを受け、市としてもしっかり管理、育成していく」と語った。
 (佐野真慈)