外国人観光客向けの旅行会社を展開する結トラベル(那覇市、辛正民(シンジョンミン)社長)はこのほど、自社などが開発した人工知能(AI)によるレンタカー予約システムの事業者向け説明会を那覇市の沖縄産業支援センターで開いた。これまで人が行っていた予約管理や車両の貸し出し管理を機械が代替し、省力化と貸し出しの効率化につなげる。既に韓国・済州島で導入しており、同じく島嶼(とうしょ)リゾートの沖縄を皮切りに日本での普及を目指すという。
同社によると、観光客がインターネットの旅行サイトでレンタカーを予約した場合に、レンタカー会社は各サイトから寄せられる予約情報を集約し、名簿化して管理する担当者を置く必要があり、人手不足を抱える業界では負担感があるという。同社の開発した予約システム(ERP)を使用すれば、ネットワークでつながったAIが全ての予約情報の管理を担うため、業務の効率化を図ることができる。
レンタカーの駐車スペースに設置した監視カメラで出入庫する車両をスキャンして読み込むモニター機能が備わっており、無人のままにレンタカーの貸与、返却を行うこともできる。非接触での貸し出しを進めることで、感染症対策としてもメリットがある。
18日に開いた説明会には、県レンタカー協会加盟の17社が参加。辛社長はデジタル化のメリットなどを説明し、「沖縄から始めたこのシステムを日本モデルにしていきたい」と、システムの普及が県内観光の発展につながるとアピールした。
6月には県レンタカー協会加盟社以外の事業者向け説明会も実施する。
(與那覇智早)