強制性交致傷認める 米兵、那覇地裁で初公判


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 沖縄本島内で昨年10月、面識のない女性に性的暴行をしようとしてけがを負わせたとして、強制性交等致傷の罪に問われた在沖米海兵隊上等兵(22)の裁判員裁判初公判が23日、那覇地裁(佐藤哲郎裁判長)で開かれた。ビゲイ被告は起訴内容を認めた。

 検察側は冒頭陳述で、被告が居住するキャンプ・フォスターから外出し、飲食店やバーなどで酒を飲んだと指摘した。

 当初、面識のない別の女性を乱暴しようと追いかけたが見失い、その後、仕事を終えて帰宅中の被害女性を見つけたとした。女性が抵抗するなどしたため、性的暴行を諦めて逃走したと説明した。

 弁護側は、被告が祖父と弟を立て続けに亡くし、大量の酒を飲んで冷静な判断力を失ってしまったと主張。「性的目的で暴行は加えたものの、実際にわいせつ行為はしていない。深く反省している」などと述べた。

 被告人質問では、犯行に至った経緯について、亡くなった祖父と弟のことを思い返し、自分自身に怒りを覚えたとし「酒を飲んで忘れたいという気持ちだった」などと説明した。

 検察官に被害女性を狙った理由を問われると「何を考えていたか覚えていない。怒りがコントロールできない状態で、そのとき目の前にいたのが被害者だった」と述べた。

 女性に対しては「申し訳ない。とても恥ずかしいことをしてしまった」などと謝罪した。

 起訴状によると、昨年10月の深夜、沖縄本島内で女性の首を絞めたり、拳で複数回、殴りつけたりするなどの暴行を加えて乱暴しようとし、けがを負わせたとしている。