赤瓦、島トウガラシ…印象的な赤の配色 長尾紀壽・型絵染展 29日まで


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型絵染展「断片(かけら)」を開いた長尾紀壽さん=22日、那覇市金城のギャラリーアトス

 染織作家長尾紀壽(のりひさ)さんの型絵染展「断片(かけら)」が那覇市金城のギャラリーアトスで開かれている。29日まで。

 長尾さんは1940年岡山市生まれで、京都市立美術大学(現京都市立芸術大)を卒業した。型絵染の人間国宝・稲垣稔次郎氏(故人)の最後の教え子だったという。その後沖縄県立芸大で後進の指導に当たった。今回は新作を含め42点を出展した。テーマにした「断片」は、傷んだ着物をほどいて作品に仕上げている。「再生しなければ」の発想から取り組んだという。

 メインの作品では「亜熱帯の島(クロトン)」がある。南国の象徴的な植物を題材にして、祭りで歓喜する人々が描かれている。他の作品では赤瓦や島トウガラシ、トマトなど赤色も印象的に配されており、長尾さんは「27年前に沖縄に来たときに『赤』が気になった」と話した。そのほか、「片降(カタブイ) オスプレイ」「片降 戦闘機」などがあり、平和な島と対比させて米軍機が飛ぶ状況も描写している。

 同ギャラリーは午前11時から午後6時まで(最終日は5時)。入場無料。問い合わせは(電話)098(859)0158。
 (上原修)