【国頭】25日午前、国頭村の県道2号の路上で、絶滅が危惧されている国指定天然記念物「ケナガネズミ」2匹が死んでいるのを森林総合研究所九州支所の小高信彦主任研究員が発見した。死因は現時点で分かっていない。2022年に入ってケナガネズミの交通事故(ロードキル)が多発しており、環境省やんばる自然保護官事務所が注意喚起していた。
発見された死骸は、同事務所に運ばれた。今後、獣医師らが死因の調査を進める。同事務所が公開するロードキル情報によると、2011年の25件以降、ケナガネズミの交通事故は15件を超える年はなかったが、今年は24日時点で既に10件発生し、10匹が死んだ。
小高研究員は事故多発の要因の一つとして、エサの一つであるイタジイの実が21年に豊作だったため、繁殖成績や生存率などが向上し、分布が拡大した可能性を指摘。「今年は特別だ。春から秋にかけて夜の運転に特に注意する必要がある」と警鐘を鳴らした。
(長嶺晃太朗)