有害PFAS血中濃度を独自調査へ 市民団体が6市町村で 健康状態との関連探る


社会
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 人体に有害とされる有機フッ素化合物(PFAS)が沖縄県の北谷浄水場の水道水などから高い値で検出されている問題で、「有機フッ素化合物(PFAS)汚染から市民の生命を守る連絡会」が6月下旬にも住民の血中濃度を独自に調査することが26日までに分かった。京都大学と連携する。対象は6市町村7地域の約350人を想定。連絡会は独自調査を国や県、市町村による広範な健康調査につなげたい考えだ。

 PFASは分解されにくく、人体に蓄積される物質で、特に米軍基地周辺の河川、地下水から高い値で検出されている。連絡会の独自調査はPFASのうち、PFOSとPFOA、PFHxSの地域住民ごとの蓄積度を調べ、健康状態との関連を探ることを目的とする。

 対象地域は北谷浄水場から水道水を供給されている北谷町、普天間飛行場がある宜野湾市の長田と喜友名、沖縄市の一部。また、水道水からPFASが高い値で検出された金武町、嘉手納基地がある嘉手納町も対象とする。比較するため、周辺に米軍基地がなくPFASが検出されていないと思われる大宜味村でも実施する。1地域当たり50人程度を想定している。

 調査にかかる費用の住民負担はない。採血は連絡会が依頼した医師らが地域に出向き行う。費用は連絡会が県民集会参加者らから募った「PFAS健康・環境調査基金」でまかなう。分析は京都大の原田浩二准教授(環境衛生学)が関わる「残留性有機汚染物質PFASの高曝露(ばくろ)地域における代謝疾患リスクに関する疫学研究」の一環で、科学研究費などを充てる。

 連絡会は採血を8月上旬ごろまでには終えたい考え。結果が出るまでに約2カ月かかる見込み。

 調査についての問い合わせは連絡会の高橋年男事務局長(電話)090(1088)3007。(安里周悟、新垣若菜)