遺骨土砂問題 国連で訴え 具志堅さん、7月スイスへ 「解決へ声上げる」


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
ガマの中から掘り出した沖縄戦戦没者の遺留品とみられるくしなどを示す遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松代表=4月、糸満市伊敷

 遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松代表らは今年7月にスイスで開かれる、先住民族の権利保護の状況などを調べる国連の「先住民族の権利に関する専門家機構」(EMRIP)の会議に参加を予定している。辺野古新基地建設に伴う沖縄本島南部での土砂採取計画の問題点を訴える考えで「基地の集中は日本政府による弱い者いじめでもある。他の国や地域の先住民族の人々と問題を共有し、解決に向けて声を上げていきたい」と意気込む。

 EMRIPは2007年、国連での先住民族権利宣言の採択に伴い設置された。国連人権理事会の下部組織で、同理事会が指名した専門家7人で構成する。会議に参加する市民外交センター共同代表の上村英明共同代表によると、年1回の会議には、専門家のほか国際機関や政府の担当者、先住民族団体、国際NGOなどが参加し、国連の宣言履行の状況などについて報告される。問題があれば人権理事会に勧告も出せるという。

 具志堅さんは、過去に同会議に参加経験がある松島泰勝龍谷大学教授に参加の相談をし、市民外交センターの支援で参加が決まった。

 会議は7月4~8日で、具志堅さんは3日の準備会合に参加するほか、発言の日時は調整中だという。期間中に市民外交センターとアジア先住民族連合共催のサイドイベントにも参加を予定する。具志堅さんは、これまで全国の地方議会にも国の土砂採取計画の中止を求める意見書の可決を働き掛けてきた。「機会があれば世界でも発信したいと考えていた」と話し、今後、一層発信力を高めていくという。(中村万里子)