わずかに力及ばなかった。キングスは懸命の追い上げも届かず、第4クオーター(Q)の競り合いに負けた。それでも一丸となって初の決勝の舞台を走り抜けた。準優勝は確実に次につながる大きな一歩だ。桶谷大ヘッドコーチは「キングスにとってかけがえのないものになる。また戻ってきたい」とすがすがしい表情を見せ、チームの奮闘やファンの応援に感謝した。
先勝し開始直後から激しい守備で攻勢を掛けてきた宇都宮。キングスは思うように得点できず、第1戦のように差を広げられた。しかし、同じことは繰り返さない。第2Qで最大13点差を8点差に縮めると、第3Qにアレン・ダーラムがゴール下で強さを発揮し得点を重ねた。さらに圧巻は岸本隆一のドライブ。ゾーン守備の間を縫うように突破を図り崩しにかかった。
岸本を中心に強みのボールも人も動くバスケットでじわじわ追い上げ、逆転につなげた。岸本は第4Q、足に痛みを訴え一度ベンチに下がるも、再びコートに立って3点弾を沈めるなど最後までチームを引っ張り続けた。
しかし宇都宮も引かず難しいシュートを決め続けた。昨年も決勝の舞台を経験。勝負どころで巧みに勢いを打ち消された。
岸本は「強かった」と脱帽。その上で「今回は乗り越えられなかったけれど、逆境に立ち向かっていくのがキングスの歩んできた歴史。体現できたとは言えなくても可能性は示せたと思う」と胸を張った。ジャック・クーリーも「今後は成長するために取り組んで、またこの舞台に立ってファンの目の前で優勝を見せたい」と力を込めた。悔しさを力に、再びキングスの挑戦が始まる。
(謝花史哲)
29日に東京体育館で行われたプロバスケットボールBリーグのチャンピオンシップ(CS)決勝第2戦で、琉球ゴールデンキングスは宇都宮ブレックスに接戦の末、75―82で敗れた。2戦2敗で王座を逃し、準優勝となった。キングスは第1クオーター(Q)、宇都宮のゾーン守備に阻まれ、リズムに乗れず得点が伸び悩んだ。第2Qからは相手守備を割る果敢な攻めで徐々にゴールをこじ開けた。さらに強度を上げた守りでボールを奪い連続得点につなげ、開始28分で逆転に成功した。しかし第4Q開始直後に宇都宮のエース比江島の攻勢を受けるなどリードされる展開を崩せず、懸命に追い掛けたが、逃げ切られた。
宇都宮(ワイルドカード)2勝
82―75(21―12,17―18,17―24,27―21)
キングス(西地区1位)2敗
(宇都宮は5季ぶり2度目の優勝)
経験の差があった
桶谷大HC(キングス)の話 悔しい結果だったが、ファイナルまでチームを連れてきてくれたプレーヤーやスタッフ、ファン、関係者のみなに感謝したい。前日よりは総じてチームとしていいオフェンスができていた。宇都宮と経験の差があった。ここでの経験はキングスにとって、かけがえのないものになると思う。
一丸で挑戦の結果
安齋竜三HC(宇都宮)の話 今シーズン強いキングスに、チーム一丸となってチャレンジした結果、優勝を勝ち取れた。みなのおかげで最高のチームが最後にできあがった。昨日はゾーン(ディフェンス)が効いていたので、(後半で)ゾーンを入れてキングスの流れを切ることができてよかった。