新型コロナウイルスが子育て世帯の家計にダメージを与える中、フードバンクや子ども食堂などを続けてきた支援団体は、経済的に厳しい世帯のセーフティーネットとして機能してきた。2021年度子ども調査では、子どもの居場所を利用しているとした回答は、前回の2018年調査と比較し、小学5年では2・1ポイント増の11・3%、中学2年では1・8ポイント増の7・9%となり、認知度が上がっている。
沖縄市で食事や遊びを通して居場所を提供する一般社団法人「みんなのももやま子ども食堂」の鈴木友一郎副理事長は「コロナ禍で休止する施設もあったが、苦しい時にそれぞれの居場所が支援の最前線となってきたと言える」と振り返る。
2015年に開所したももやま食堂は、居場所を必要とする子どもを温かく受け入れ、遊びや食事を提供してきた。子どもたちの口コミで広がり、小学校から高校になるまで通う子もいるという。
子ども未来政策課によると、子どもの居場所(子ども食堂)は2021年10月現在で186カ所となっている。民間団体や企業にも支援の輪が広がっているが、鈴木副理事長は「民間の受け皿頼みの施策ではなく、各自治体による貧困対策の施策をより充実してほしい」と訴える。
一例として全国と比べ高い学童保育利用料について「経済的に厳しい世帯こそ利用できなくなる仕組み」と指摘し、「家庭の経済状況に関係なく、誰でも必要なサービスを受けられる体制にしてほしい」と強調した。 (嘉陽拓也)