49年前の音声発見 第1回全沖縄空手道選手権大会 名護・仲尾次の上原浩さん(95)が司会


この記事を書いた人 Avatar photo 仲井間 郁江
49年前に空手道大会の司会をした上原浩さん(左)と息子の満さん=名護市内

【名護】沖縄の日本復帰の1年後に当たる1973年に、琉球大学体育館(当時は那覇市首里)で開かれたとみられる空手道大会の音声がこのほど、名護市仲尾次の上原満さん(71)宅で見つかった。49年前のカセットテープに残されていたのは、今年で95歳になる父・浩さんが滑舌よく司会をする若々しい声だった。
 
 満さんは自宅の整理をしていたところ、色あせたテープを発見した。再生してみると吹奏楽を伴う入場行進と開会式の声が鮮明に流れた。司会をしているのが父親だとすぐに気づいたという。「6月10日、沖縄拳法空手道連盟総本部が主催、第1回全沖縄空手道選手権大会」だ。300人程度が参加したとみられる。
 
 名護市内の高齢者施設に入所する浩さんに24日、音声を聞いてもらうと「司会をやった。中村さんは今も(空手を)やっているか」と応じ、自身が指導を受けた中村茂さんの道場に言及した。茂さんは、沖縄空手会館(豊見城市)の館長を務めている中村靖さんの祖父だ。

 浩さんは旧羽地村の村議や名護市内の映画館館長を経て、指圧師を長く続けた。指圧は武道の一環で、名護に立ち寄った台湾の武道家に教わったのだという。満さんは「養鶏もやりながら5人の子を育ててくれた」と若き日の父を懐かしんだ。
 名護市で不動産業を営む宮里正治さん(78)も同じ中村道場で学んだ。宮里さんは「話を聞いて大会のことを思い出した。まさかこんな話が出てくるとは思わなかった」と笑った。 

(増田健太)