女子サッカー宮城、デフリンピックで活躍 王者アメリカ戦「いい経験できた」


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デフリンピックでの成果を報告した女子サッカーの宮城実来=1日、那覇市泉崎の琉球新報社

 ブラジルで開催した聴覚障がい者の総合スポーツ大会「第24回夏季デフリンピック」で、女子サッカー日本代表として3試合に先発フル出場した那覇市出身の宮城実来(21)=那覇西高―日体大4年=が2日までに琉球新報の取材に応じた。強豪に立ち向かうなど、さまざまな経験を積むことができた大会を振り返り、成果を語った。

 大会では右サイドバックとして守備を中心にチームに貢献した。初戦のケニア戦は霧が濃い悪天候の中で行われ、結果は12―0と完勝だった。「相手は身体能力が高く体力も上だった。ボールが全く見えない状態でもパスをつないでいった。ボールではなく人をマークすることで攻略できた」と振り返る。攻撃にも参加し、左サイドからのクロスを蹴り込んでチームの12点目を決めた。

 大きな経験となったのは王者アメリカとの第3戦。守備を徹底しカウンターで1点を狙う作戦だったが、終了間際に失点して、0―1で惜しくも勝利を逃した。「サイドからのクロスの精度、選手一人一人の能力が高くて全てが格上だった。試合後は悔しいという気持ちよりも楽しいという思いが込み上げた」

 第2戦のポーランド戦は2―5で敗れ、日本は4位だった。新型コロナウイルスの影響で日本選手団が大会途中で出場辞退したため、第4戦のブラジルとの試合は棄権せざるを得なかった。ホテルから外出できない期間が長くなるなど、最後までコロナ禍に苦しめられた。

 2025年のデフリンピック日本開催に向けた動きも始まっており、宮城は「それまでは競技に専念したい」と次大会を見据える。大学卒業後は沖縄でのプレーを望むが「環境なども含めて関東でプレーすることになりそう」と言う。

 今回のデフリンピックを「これまで出場した大会と違う雰囲気で、いい経験ができた。海外の選手は体の使い方や1対1がうまかった」と振り返る。世界レベルの実力を肌で感じ、日本の立ち位置や課題を実感した様子だ。「次はフットサルの世界大会に向け、7月に代表候補合宿がある。今回の経験をフットサルにも生かしたい」と成長を誓った。
 (大城三太)