ラート世界選手権 伊佐が斜転で世界5位 競技歴17年、最高位


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 ラートの世界競技選手権大会が5月23~28日、デンマークで行われ、伊佐義史(37)=那覇国際高教諭=が斜転の決勝で9.35点を出して5位入賞した。予選は9.45点で5位、初めての決勝進出だった。直転の予選は6.95点で11位、跳躍の予選は7.45点で7位。個人総合は予選までで23.85点となり8位に入った。

 ラート競技歴17年の伊佐義史が、3回目の世界大会挑戦で初めて決勝に進出し最高の5位に入った。「長い競技生活だったが初の決勝でうれしく、また頑張ろうと思った」と結果をかみしめた。

 ラートを斜めにして技を競う斜転は、最も難しい「R難度」の技に挑戦した。両手を離して回転を止め、逆回転しながらさらに後方へブリッジ。決勝は1回失敗したが、めげずに同じ技を続けて成功させた。予選で技を認定されなかった分、成功に納得の様子だった。

 コロナ禍で大会開催がなく、昨年は子どもが生まれるなどして環境の変化がある中、県外の選手と連絡を取ってモチベーションを保ってきた。短時間でも強度の高い練習を重ね「家族らに活躍する姿を見せたい」との思いが、大舞台で結実した。

 琉球大体操部時代、本村三男顧問に「何かで世界一になりたくないか」と勧められたラート競技。「技ができた時の面白さ、表現の面白さが魅力」と語る。本村さんは昨年亡くなったが、恩師の言葉を胸に「世界一を目指す」と挑戦は続く。
 (金良孝矢)

世界ラート競技選手権大会で演技する伊佐義史(Bart Treuren提供)
世界ラート競技選手権大会の斜転で5位入賞した伊佐義史(提供)