【名護】7万円の特殊詐欺の被害を防いだとして、沖縄県警名護署(大城盛和署長)は5月27日、ファミリーマート大宜味津波店の店員・喜屋武梓(あずさ)さん(41)=東村=に感謝状を贈呈した。喜屋武さんはレジで接客中、高齢の男性が高額の電子マネーを購入しようとしていたことを不審に思い、声を掛けたところ、男性が携帯電話で誘導され来店していることに気付いたという。
名護署によると、3月26日、男性がネットニュースを見ていたところパソコンが動かなくなり、音声メッセージが流れ、電話番号が表れた。男性が電話をすると、ウイルス対策のソフトを導入するために、近くのコンビニで7万円分の電子マネーを買うよう指示された。典型的な詐欺の手口だという。
喜屋武さんは「男性は話を信じているようだったが、高齢の方が電子マネーを買うことはあまりないのでおかしいと思った」と振り返った。手順通りに声を掛け、防犯の資料を見せて、♯9110(警察安全相談ダイヤル)に通報したという。感謝状を受け「いつもの仕事をやっただけだ」と謙虚に語った。
名護署によると2020年以降、管内で特殊詐欺は発生していない。手口が変わるため、今回のように支払い直前の対策が有効なのだという。大城署長は「今後もおかしいと思うことがあれば遠慮なく通報してほしい」と感謝した。
(増田健太)