【記者解説】古謝氏の政策「未来志向」を前面、無党派層への浸透狙う 辺野古容認の姿勢を明確に 参院選沖縄選挙区


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参院選に向け、政策発表会見をする古謝玄太氏=4日、那覇市のロワジールホテル那覇(ジャン松元撮影)

 新人の古謝玄太氏は、新たな県経済の基軸として「新5K経済」を掲げたほか、スタートアップ(起業)を促進させる構想、社会人がIT技術などを学べるリカレント教育を提唱するなど「未来志向」をアピールした。

 会見場のテーブルに若者世代を前面に並べた演出からも、38歳という若さを前面に打ち出す陣営の戦略が見える。知名度でリードを許す現職の伊波洋一氏(70)の年齢を意識し、従来の保守支持層に加え、若年層を中心とした無党派層への浸透を図る狙いがある。

 古謝氏は米軍普天間飛行場の名護市辺野古への新基地計画について、「普天間の危険性除去」のためとして明確に容認する姿勢を示した。前回参院選で自民候補が新基地建設計画について賛否を明言しなかったことで一部保守票が離れたことへの反省や、ロシアによるウクライナ侵攻を受けた安全保障体制への関心の高まりが背景にあるとみられる。

 世論調査では若年層になるにつれ、新基地建設を容認する傾向が読み取れる。「現実的な安全保障体制を考える必要がある」とする古謝氏の認識は、浸透を狙う若年層の傾向と重なる。

 ただ、沖縄では、米軍基地が集中することによる「標的」化への懸念があるほか、新基地建設計画への根強い反発もある。現状の安全保障環境への認識を含めて丁寧な説明を重ねる必要がありそうだ。

(梅田正覚)